スナフキン的WEB2.0の捕らえ方


先のリッチクライアントセミナーで私がプレゼンした際、
WEB2.0にとらわれない(超えた)アプリケーションを見てみたい」とのコメントをいただきました。


私のプレゼンでは極力WEB2.0という言葉は使わないようにしていたのですが、
それでも、こういったコメントをいただくということは、
おそらくWEB2.0という言葉を聞き飽きてしまった人たちがいる、ということなのだと思っています。


考えてみると、WEB2.0という言葉は本格的に出てきてからまだ1年とたっていないにもかかわらず、
梅田さんや小川さんの書籍によって、ずいぶんと多くの方に認知されるようになりました。


中身が何を指しているかについてはぼんやりしているところはあるものの、
 ・ネットの世界で大事なことが起きている
 ・自分達にも影響があるので対処を考えたい
 ・いろいろと話は出ているがすっきりと理解しづらい
というところまでは共通している。
渡辺聡・情報化社会の航海図

渡辺さんがおっしゃっているようにWEB2.0というバズワードの対象となる内容に対するコンセンサスは、
かなり取れてきていのだと感じていますが、
そのコンセンサスに対する温度差は大きく分かれているようです。


我が意を得たりと納得し、積極的に取り入れる人、
夢のような言葉として、盲目的に受け入れる人、
よく分からないけれども、とりあえず乗っかる人、
周りがうるさいので、しぶしぶ取り入れる人、
そして直感的な嫌悪感を感じ、それを隠そうともしない人。


これらはそのままキャズム理論にあるイノベーターやラガードと呼ばれる層の人々の反応に当てはまりますが、
さらに、「聞き飽きて嫌気が差している人」が加わったということでしょう。


ここで難しいのは、WEB2.0という言葉の内容はキャズムを超えていないにもかかわらず、
言葉そのものはキャズムを超えて広く認識されてしまった、という点でしょう。


WEB2.0=良いもの」というコンセンサスが取れているのであれば、
もちろんWEB2.0的ビジネスやアプリケーションの説明は簡単です。
また、WEB2.0という言葉が知られていないのであれば、
私達が説明しているものはこういうものですよ、という前提を抑えながら、
単なるキーワードとしてWEB2.0という言葉を使うことも出来ます。


しかし、SIerやネットビジネスに関係する、ある程度制限された層を対象にしても、
WEB2.0という言葉を聞いたときに感じる反応があまりにも離れているため、
おいそれと使えなくなってしまった、と感じている人は私だけではないのでしょうか。

どうしても短い時間でのプレゼンでは、便利なバズワードを使ってしまうのですが、
スナフキン

あんまり、おおげさに考えすぎないようにしろよ。
なんでも、おおきくしすぎちゃ、だめだぜ。


という言葉を胸に、出来るだけ具体的な機能にフォーカスしながら、
ユーザーやベンダー、SIerが、実際に得られるメリットをイメージしやすい説明を
根気良くしていこうと思っています。