座談会2

さて、座談会でもっともインプレッシブだった
WEB2.0時代のインターフェース」の話題について。


この話題については、弊社の三野が良く言うように
WindowsのUIがユーザーの操作を制限しすぎている」ことと切って話すことが出来ません。


もっとリテラシーの低い人が直感的に理解できるUIはなにかは重要な課題であるにもかかわらず、
コンピュータ1つとっても、マウスのスクロールぐらいしか、
新しいマンマシンインタフェースといえるものは発明されていません。


奇しくも、小川さんから、WEB2.0と同じ技術革新は、
産業革命の際の「動力(ピストンや歯車)」だという意見が上がったのですが、
電話やテレビなどのインタフェースは基本的に「スイッチ(ピストン)」と
「スクロール(歯車)」からなっていることを考えると、
なるほど、利用されている技術とそのUIがメタとしてつながっています。


ではWEB2.0時代の革新技術である「マッチング」の技術をあらわすUIはどのようなものか。


おそらく平面的なものではなく、立体的な「軸」をあらわすものなのでしょうが、
私も具体的に浮かんでいるわけではありません。


ただ、Developer's Lounge 4thの項でも書きましたが、
ルッキンググラスという3Dデスクトップのデモで桜庭さんが言われているように
「2Dから3Dになることでユーザーの操作が1つ減る」わけで、
3Dは単純な見栄えだけのものではなく、
WEB2.0時代のインターフェースとして注目されるべき技術であることは間違いないと思います。


また、MACのノートはサスペンド時にライトが明滅しますが、
周りの明るさを感知して、それに合わせた輝度に自動的に変更してくれたり、
振動を感知する機能(そんなものが入っているなんて知りませんでした)を使って、
その機能を使ったライトセーバーの音を出すようなアプリなんてものもあるそうです。


室井さんも、任天堂Wiiを話題に上げ、とまらないマシンが常にネットワークに
つながっている世界では、より直感的で、アクセスしやすいUIが必要不可欠だといわれていました。


座談会ではUIについて明確な結論は出ませんでしたが、
今回トラックバックさせていただいた小川さんのブログで、
飛行機がなぜ飛ぶか、という問題を提起しながら、
APIやUIの「ブラックボックス化」に言及されています。


ふと、昔、パトレイバーというマンガで「テレビはスイッチを押せば点く。
なぜかは分からないから、考えてみれば、とても不気味だ。
けれども、そういうものだ、として利用していくしかない。」
というようなことを登場人物が話し合うシーンを思い出しました。


卑近な例では、スキー板がなぜ雪の上をすべるのかも、
板に面する雪が凍って摩擦がなくなるからのか、
解けて流動化するからなのか、判明していないという話も聞いたことがあります。


逆説的ではありますが、UIというものは、使い込まれていく中で、
ブラックボックスになるまで無意識にまで落とし込まれ、
そうして初めて直感的なインターフェースといえる、ということなのかもしれません。


私が携わっているリッチクライアントの世界でも、
どのようにユーザーエクスペリエンスを創造していくかは懸案事項であり、
常にユーザーを意識しながら模索していかなければならないと、
改めて考えさせられた座談会でした。