EIRについて


小川浩のネットショッキング 「失敗しても再チャレンジする起業家には絶対投資したい 」http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/ogawa/2007/03/01/9723.html


上記のエントリ、サンブリッジのアレンさんと小川さんの「EIR制度」に関する対談を読んだのですが、
(EIRについては同小川さんのブログに詳しく説明されています)
「発想よりも人材に投資する」というキーワードに、はっとさせられました。


梅田望夫さんのWEB進化論にも、グーグルの人間は新しいアイディアを次々に考えているが、
それを実際に目に見える形にすることを本当に重要視していて、
だからこそ、グーグルの人間はモノを作ることに力をいれ、グーグルマップのような
新しいサービスが次々に生み出されている、というようなことが書かれていましたが、
「発想」も重要ですが、それを「実現することの出来る人」というのは、
なかなか得がたいものだと私も思うのです。


もちろん私は「トラックレコード」を持っているわけではないので、
EIRそのものに興味があるということではないのですが、
企業内の優れたアイディアをビジネス化しやすい仕組みの構築に、
EIRがどれくらい関係していくのか、という点については強い興味を持っています。


ある程度、技術が分かってくると、「こういうものとくっつけるとこういうことが出来る」
「ここをこうするとこういうことが出来る」というようなアイディアが出てくるものですが、
技術に精通しているひとほど会社では忙しいもので、なかなかそれを先に進めることは出来ない。


アイディアの中には、検証してプロジェクトとして立ち上げるためには、
人をアサインする必要がありますが、往々にして、アサインを自由に出来る地位にまでなると、
技術からは遠ざかり、そういったアイディアは出てこない。


アイディアと人を結びつけることが出来ない。
こういった問題はどの企業にも隠れているものだと思います。


個人的には、EIRの仕組みは「起業」を助けるというよりも、
そういった「プロジェクトの立ち上げ」を推進する機構として役に立つのではないかと思うのです。


経験と知識を持った人が、持ち回りで社員とミーティングをしながら
埋もれているビジネスアイディアを掘り起こし、
必要であれば内部・外部を問わず人をアサインしながら
プロジェクトとして立ち上げていく、という仕組みができれば、
企業側にも明らかにメリットがありますし、
なによりEIR担当者の「日々の作業」があるので
「なぜその人にお金を払うのか」という理由が目に見えるようになり、
受け入れられやすくなるのではないでしょうか。


EIR担当者のメリットも、プロジェクトが収益性の高くなった、
もしくはその可能性が高いとEIR担当者が判断したら、
それを企業としてスピンアウトすることが出来るという契約などがあれば確保できます。


EIRを単に「アメリカ的」ということで忌避するのではなく、
その根っこにあるものを捕らえて企業の成長にどう生かすかを考えてみると
いろいろと面白いのではないでしょうか。


Speedfeed内エントリ「EIRについて」
http://blogs.itmedia.co.jp/speedfeed/2007/02/eir_entrepreneu_935d.html


小川さんのブログ:Speedfeed
http://blogs.itmedia.co.jp/speedfeed/


Enterprise Watch−小川浩のネットショッキング
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/ogawa/