デザインとロジックの分割


リッチクライアントの特徴のひとつとして、アプリケーションに対する使い勝手のよいUIデザインがあげられることがありますが、

これまでのWEBアプリ開発では、デザインとロジックを分けて開発することが求められてきましたが、
ここでいう「デザイン」というのはHTMLのレイアウトと、画像もしくはFlashコンテンツの作成が中心で、
アプリケーションに対する、操作性や使い勝手の向上をデザインするというものではありませんでした。


一方、リッチクライアントやRIA導入のメリットは、この操作性や使い勝手の向上が大きなポイントの一つですが、
そこをデザインするのは、これまでの「WEBデザイナー」という肩書きだけを持つ方では、
難しいのではないのかな、というのが私の感覚でした。


しかし、AIRSilverLightセミナーなどに参加すると、
とくに開発環境の解説において「ロジックとデザインの分割」を強調する場面が多く見受けられ、
それも技術的に「コードとして分割することができる」という意味ではなく、
従来のコマーシャルサイトを対象とする開発と同じ枠組みで、
「デザインとアプリ開発の体制を分割する」ことを推奨しているようなメッセージングには、
ユーザー生産性の向上を目的とする本来のリッチクライアントの方向性とのズレがあるような気がするのです。


と、言うようなことを書こうと思っていたのですが、
昨日、ZDNetに以下のような Adobe社イグル社長のインタビューが。


■デザイナーはデザイン、開発者はプログラムだけという時代は終わった
http://builder.japan.zdnet.com/news/story/0,3800079086,20364093,00.htm


Adobe社もAIRに力を入れていくというなかで、リッチクライアントやRIAの本来の方向性を
正しく認識して、メッセージとして発信し始めているようです。
マイクロソフトあたりからも同じようなメッセージが出ると面白いかな。


今年最後のエントリです。
皆様、体調にはお気をつけて新年をお迎えください。
よいお年を。